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いよいよ「日本売り」が始まった、これから「シン・トリプル安」が同時に起きるのかを注視しなければならない

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片山財務大臣とベッセント財務長官の関係もすでに1年近く。写真は2025年10月の東京会談(写真:ブルームバーグ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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この数カ月間、日本株は乱高下しており、仕掛け筋に翻弄され続けてきた。水準としては、日経平均株価が一時7万3000円台に近づくなど、むしろバブルのピークと(あるいは8万円以上への通過点とさえ)思っている人々もいたが、要は、「AIネタ」「半導体ネタ」で相場が動かされていただけだ。

アメリカのハイパースケーラーやAI関連、半導体関連の企業の決算発表をネタに上下に大きく揺さぶられ、次には、その流れで、韓国株の乱高下で日本株も連動してきた。そして、相場がピークをすぎた気配を示しだしたのは、アメリカの金利見通しに世界全体が左右され始めた8月後半からだった。

しかし、この9月1日は、日本株だけ、しかも夜間から下落を始めた。株式相場というのは、テーマに沿って動く側面がある。特に近年は「ミーハー」な誰にでもわかりやすいネタで揺さぶるようになってきた。個人の初心者、プロのファンドマネージャーでも素人的なレベルの低い運用者が増えたからだ。

それで、エヌビディア一点、AI関連、半導体関連、と移ってきて、日本株、韓国株となってきた。その「ミーハー」なテーマに世界中の株が連動してきた。しかし、この日の下落は、日本株だけであり、しかも、日本の材料が少ないはずの日本の夜間に始まった。これは、日本売りの始まりだ、と私は捉えた。

「日本売り」を起こした「2つのネタ」とは?

9月1日の「日本売り」開始事件。一般のメディアも市場関係者の声も、長期金利3%にとらわれていたが、この日、最も重要だったのは、数字的な節目よりも、それを起こしたイベントの中身だった。2つのネタが同時に存在したのである。

1つ目は、高市政権の来年度予算の概算要求総額が出て、今年度比で20兆円超増え、史上最高となった、という見出しが出た。ニュースインパクトがある。「国債を増発せざるを得ないのではないか、今後、さらに財政が膨張するのではないか」という短期の需給と長期の持続可能性の両方に懸念が拡大した。

さらに、概算要求が例年と異なることから、年末、年度末に向けて、実際の確定額の見込みが立てにくい、という不透明さがさらに悪材料となった。

補正予算を縮小して、その分を当初予算に、という説明をしつつ、財政は膨張していない、という説明では、マーケットが財政破綻懸念ネタで攻撃するのを抑えることはできない。なぜなら、不透明な場合、どちらにも解釈できる場合は、マーケットにとって都合よく解釈され、利用されるからだ。事実は関係ない。解釈の余地があって、攻撃する意図が存在すれば、マーケットには攻められてしまう。

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