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「科学技術立国・日本」を復活させるヒント、日本のアマチュア無線100年の歴史が物語る「好奇心」というすごい力

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アマチュア無線の歴史が日本で100年を迎えた。いまでも重要な通信手段の一つだ(写真:knight315/PIXTA)
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「ラジオ少年・少女」たちの好奇心が向かった先は、必ずしもアマチュア無線だけではない。通信、電子工学、音響、コンピューター、航空・宇宙など、それぞれの専門分野へ枝分かれしていった。こうした「自分で試してみる」若者たちの厚い層が、戦後日本の電子技術を支える人材となったことは間違いないだろう。

技術が進化した時代だからこそ「好奇心のアンテナ」を張り巡らそう

筆者が使用している通信機器(写真:筆者撮影)

では、現在のアマチュア無線にはどのような意味があるのだろうか。スマートフォンやインターネットが社会を覆う現在、かつてのように無線機を自作し、遠くの局と交信することだけが目的ではない。D-STARやWIRES-Xといった、インターネットと無線を組み合わせ世界中と交信できる技術も登場し、アマチュア無線そのものも進化している。

一方で、通信手段が1つに集中することへのリスクも見えてきた。26年、台湾では軍事演習の中で携帯電話通信の速度を制限する訓練が行われた。通信インフラがつねに正常に機能するとは限らないことを想定したものだ。衛星通信や短波放送、アマチュア無線など、異なる経路を持つ通信手段を理解しておくことの意味は、むしろ増している。

重要なのは、懐古的趣味にとどまらず、新しい技術を受け入れながら、その仕組みを知り、自分で試し、必要に応じて別の手段を選べる人材を未来へ向けどう育てるかである。

その意味では、アマチュア無線の資格が工業高校「ジュニアマイスター顕彰」の対象となっていることも興味深い。もちろん、工業高校生だけではなく一般の高校生も無線技術を学び、資格取得を一つの実績として、専門分野への進学や就職へつなげていく可能性を広げる道もあるのではないか。

かつての「ラジオ少年・少女」と同じように、現代の若者にも「好きだから始めた」が、その先の専門性へつながる可能性がある。筆者も、日本人初のスペースシャトル飛行士が宇宙からアマチュア無線を運用していたことや、神戸での阪神淡路大震災といった災害などがきっかけで始めた。そこからブランクはあったが、最低限の理解をする努力として大人になってプロの無線資格など学びなおして取得した経緯があるので、若いうちに取得できる機会があったほうがよりいいと感じる。

戦後の焼け野原から日本の再興を支えたのは、完成された技術を使うだけの人ではなかった。「なぜだろう」「やってみよう」と考え、ラジオを分解し、電波を受信し、やがて自分で電波を飛ばした、ラジオに憧れた子どもたちだった。

「好奇心のアンテナを立てよう」

これは単なるアマチュア無線のキャッチフレーズではないのではないか。科学技術立国を再び目指すのであれば、次世代に必要なのは、答えを教えることだけではなく、自ら疑問を持ち、試し、失敗し、そこから新しいものを生み出す環境である。JARL100年の歴史が教える「温故知新」とは、無線機を次の世代へ残すことだけではない。その根底にあった「好奇心」というアンテナを、次の100年へ受け渡すことではないのだろうか。

ちなみに、現在、アマチュア無線を始める入り口となる第4級アマチュア無線技士の資格は、CBT方式の国家試験を受験するほか、講習やeラーニングによる養成課程を修了する方法もある(一般財団法人日本アマチュア無線振興協会のホームページを参照)。資格取得後、総務省に無線局免許を申請し、呼出符号(コールサイン)が指定された無線局免許状を取得すれば、実際に自分で電波を出して通信を楽しむことができる。

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