最初に1回だけ、利用登録の操作がある。実物のカードをかざして4桁の暗証番号を入力するか、スマホに搭載したマイナンバーカードがあれば生体認証だけで完了する。登録を求められるのは実際にログインや本人確認を使う場面なので、アップデートされたからといって急いで操作する必要はない。ただし、パスコードや指紋などの端末ロックを設定していないとアプリ自体を使えない。
デジタル庁は移行に伴う混乱への手当ても用意した。アプリストアでは新旧の名称を併記し、デジタル認証アプリを起動した人をマイナアプリへ誘導する。アイコンはピンクと桜の意匠に変わったが、移行期間中はマイナちゃんが新アイコンをかざす期間限定版を表示し、年内に統一する予定だ。
開発体制も変わった。デジタル庁の水島壮太チーフプロダクトオフィサー(CPO)は説明会で、マイナアプリをデジタル認証アプリに続いて庁内で内製開発したと説明した。アプリ部分は100%内製になり、改善のサイクルを速めるねらいがある。安全設計にも手を入れ、アプリとサーバーの通信を端末ロックの情報とひも付けて、スマホをなくしても第三者が操作しにくいようにしている。
口座開設もフリマも、カードで本人確認
統合を機に、このアプリの性格は行政サービスの入り口から、口座開設もフリマも通る本人確認の共通基盤へ変わっていく。なぜ行政のアプリに、民間サービスの本人確認が同居するのか。旧デジタル認証アプリの裏側で動く「デジタル認証サービス」という仕組みを、デジタル庁が官民に無償で提供しているためだ。事業者はカード読み取りの仕組みを自前で開発せずに、マイナンバーカードによる本人確認や電子署名を自社のサービスに組み込める。
利用者の操作はどのサービスでも変わらない。サービス側で本人確認を求められるとマイナアプリが立ち上がる。カードをかざして4桁の暗証番号を入れれば、氏名や住所などの情報が正確なまま事業者に渡る。契約を伴う申し込みなら、続けて6桁の暗証番号で電子署名まで済む。
導入した事業者の顔ぶれは幅広い。三菱UFJ銀行は口座開設で、メルカリはメールアドレスを失った利用者のアカウント回復で使っている。ポケモンカードゲームの販売時の本人確認のように、身近な買い物にも入り込んでいる。利用申し込みは6月時点で712件だったが、報道機関向け説明会でデジタル庁は、8月20日時点で1439件に増えたと明らかにした。


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