ハロー!プロジェクトのアイドルグループ・Juice=Juiceを卒業し、現在はソロアーティストとして活動する宮本佳林さん。開発未経験だった彼女が、AIと自然言語で対話してコードを書く「バイブコーディング」を駆使し、自身の新曲『HANAKIN』のPR用診断サイトやイベント用のアンケートシステムを構築した。
個人によるプロダクト開発の経験が大きな話題となった宮本さんだが、AIの活用方法はプロモーションやマーケティングだけではない。音楽制作やライブプロデュースといったエンタメの現場において、長年業界を悩ませてきた「コミュニケーションの壁」を壊す手段としても機能しているという。
後編では、スタッフチームとの意思疎通を変えた生成AI活用術や、芸能界におけるDX、そして宮本さんが考える「テクノロジー時代に求められるこれからのアーティスト像」についてお話を伺った。
前編記事「『すごいことをしている感覚はない』プログラミング未経験のアイドル・宮本佳林がAIで診断サイトも生配信の仕組みも"自作"できた舞台裏」
スタッフに「イメージ」が伝わらない課題をAIが解決
音楽制作やライブプロデュースの現場において、これまで明確な解決策がなかった課題がある。それは「アーティストの脳内にある世界観やイメージが、スタッフやクリエイターに正確に伝わらない」という問題だ。
感情や雰囲気を扱うエンタメの世界では、長年タッグを組んできたマネージャーやスタッフとの「暗黙の了解」に頼る部分が大きい。宮本さん自身も、まさにその壁に直面した。
「最近、私を担当してくださっていたマネージャーさんが退職されました。その方は、長く担当していただいていたこともあり、私の好みや感覚をすごく理解してくださっていて『こういう色で、こういう感じの雰囲気で』と曖昧にお伝えしても、しっかりと汲み取っていただけることが多かったんです。
でも新しい体制になる中で、私自身も、できるだけ具体的なイメージをお伝えするようにしないといけないなと感じました」(宮本さん、以下同)
抽象的な言葉だけでやりたいことを説明しようとすると、認識のズレが生じ、グッズデザインや衣装、企画などの修正が発生してしまう。そこで宮本さんが取り入れたのが、AIを活用したビジュアルを添えた企画書作成だった。


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