7月末、中国の自動車メーカーBYDは、電動軽自動車(軽EV)「BYD RACCO」(以下、ラッコ)を日本で発売した。発売から2週間で累計受注は1000台を突破したといい、日本市場攻略の切り札として滑り出しは好調だ。
もっとも、日本の乗用車市場におけるBYDの存在感は、これまでのところまだ小さい。2025年の乗用車の国内登録台数は3742台。軽自動車を含む国内新車販売は約457万台であり、0.1%にも満たない。
ところが、すでに日本社会に深く入り込んでいるBYD製品がある。電動バス(以下、EVバス)だ。
国内で保有されるバスのうち、EVの比率はまだ1%にも満たない(25年、自動車検査登録情報協会)。それでもBYDの日本でのEVバス累計納車台数は500台を超えている。25年の販売台数ベースでは、国内EVバス市場の約5割(BYD調べ)にあたる。
海外でもBYDのEVバスは広く普及している。同社によれば、導入地域は世界70以上の国・地域を超え、欧州では、イギリスやドイツをはじめ、すでに5000台以上を納車している。国内のバス事業者への取材でも、BYD製EVバスの性能や使い勝手を評価する声は少なくなかった。
しかし、この地位がこの先も安泰とは限らない。国産メーカーの巻き返しに加え、EVバスへの補助制度も変化している。
日本のEVバス市場で先行したBYDは、これからもその優位を保てるのか。
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