――かつてのテレビ局は、就職でトップクラスの人気がありました。今は東京大学などの学生からは、コンサルやPEファンド(プライベートエクイティー・ファンド)などが人気のようです。テレビ局が優秀な人材を獲得するためには何が必要ですか。
東京大学からは官庁に行く人が減っているなど、学生の就職志望先が多様化しているという話は聞く。ただ、テレビ朝日でも、他局の話を聞いても、テレビ局への応募者が急速に減少しているという事実はない。依然として、取材や制作を志望する多数の応募者がいる。
なぜかといえば、放送法の第1条に掲げられている「公共の福祉への貢献」や「健全な民主主義の発達」といった社会的使命・大義があるからだ。加えて報道、ドラマ、バラエティー、スポーツ、情報などを通じて多くの視聴者に感動や共感、発見を提供し、新しい文化やIPを生み出せる創造性の高い仕事でもある。さらに配信、イベント、海外展開、AI活用など、学生がテレビ局に来れば活躍できるフィールドは非常に広がっていっている。クリエーティブ集団として多様な挑戦ができるテレビ局の魅力を、もっと多くの人に気づいてほしい。
――特に若い人からテレビや新聞が「オールドメディア」と呼ばれることには、何か感じますか。
「オールド」という言葉は英和辞典などを引くと、「熟練した」などなかなか粋な意味もある。かつては「ニューメディア」という言葉があったが、SNSやネット系の表現メディアなどに対する言葉として「オールドメディア」と言っているのだろう。
比較としては事実だが、メディアにはわれわれのような公共性がないと、社会にとっては欠けた機能になってしまう。普段、ネットの情報に接している若い人たちも、どこかに内容への不安や偏りは感じているのではないか。
テレビならではの使命・意義がある
――公共性や公共的な機能のありなしは、どのような差になるのでしょうか。
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