有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ

廃墟だった温泉旅館の《社員寮》をDIY…「壊したら二度と作れない」と東大生が解体を止めた"奇妙な路地裏"の今

9分で読める
旧ひがき寮
かつて温泉旅館の社員寮だった「旧ひがき寮」。廃墟となってからは蔦に覆われ、窓は割れ、朽ちるに任せていたが…(写真:ミナカミロジウラ部)

INDEX

群馬県みなかみ町、水上温泉街の路地裏。2棟の建物が奥に向かって次第にすぼまり、突き当たりには1本の木が空を覆うように立っている。国も時代も分からなくなるような、非日常的な光景だ。

かつて温泉旅館の社員寮だった「旧ひがき寮」。正式な築年数は不明だが、1967年頃の建築と推定されている。2026年6月、その路地に面した部屋のひとつひとつが店先になり、アップサイクルや手仕事を営む創り手たちが軒を連ねていた。

この場所を運営しているのが、地元アーティストが集う任意団体「ミナカミロジウラ部」だ。何もなかった廃墟を知らない者同士が言葉を交わす"町の縁側"に変えようとする彼らの歩みは、いくつもの偶然から始まっている。

水上温泉街の旅館「旧一葉亭(旧ひがきホテル)」の従業員寮だった旧ひがき寮は、アーティストたちのアトリエとして再生されている(写真:筆者撮影)

「おまけ」として見つかった建物

旧ひがき寮が再び人の目に触れるようになったのは、2022年頃のことだ。水上温泉街では大型旅館の廃業・廃墟化が課題となる中、2021年にみなかみ町・オープンハウスグループ・群馬銀行・東京大学の4者が「産官学金包括連携協定」を締結。1948年創業、2019年閉業の大型旅館「旧一葉亭」(創業当初の名は「ひがきホテル」)を、取り壊さずに生かす「減築&再生」という手法で再生するプロジェクトが動き出した。

減築と再生が進む「旧一葉亭(旧ひがきホテル)」(写真:筆者撮影)
【写真を見る】廃墟だった温泉旅館の《社員寮》をDIY…「壊したら二度と作れない」と東大生が解体を止めた"奇妙な路地裏"の今 (23枚)
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数