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群馬県みなかみ町、水上温泉街の路地裏。2棟の建物が奥に向かって次第にすぼまり、突き当たりには1本の木が空を覆うように立っている。国も時代も分からなくなるような、非日常的な光景だ。
かつて温泉旅館の社員寮だった「旧ひがき寮」。正式な築年数は不明だが、1967年頃の建築と推定されている。2026年6月、その路地に面した部屋のひとつひとつが店先になり、アップサイクルや手仕事を営む創り手たちが軒を連ねていた。
この場所を運営しているのが、地元アーティストが集う任意団体「ミナカミロジウラ部」だ。何もなかった廃墟を知らない者同士が言葉を交わす"町の縁側"に変えようとする彼らの歩みは、いくつもの偶然から始まっている。
「おまけ」として見つかった建物
旧ひがき寮が再び人の目に触れるようになったのは、2022年頃のことだ。水上温泉街では大型旅館の廃業・廃墟化が課題となる中、2021年にみなかみ町・オープンハウスグループ・群馬銀行・東京大学の4者が「産官学金包括連携協定」を締結。1948年創業、2019年閉業の大型旅館「旧一葉亭」(創業当初の名は「ひがきホテル」)を、取り壊さずに生かす「減築&再生」という手法で再生するプロジェクトが動き出した。


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