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廃墟だった温泉旅館の《社員寮》をDIY…「壊したら二度と作れない」と東大生が解体を止めた"奇妙な路地裏"の今

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旧ひがき寮
かつて温泉旅館の社員寮だった「旧ひがき寮」。廃墟となってからは蔦に覆われ、窓は割れ、朽ちるに任せていたが…(写真:ミナカミロジウラ部)
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さらにこの背景には、学生が関わるプロジェクト特有の構造的な問題もあった。学生はいずれは卒業してこのプロジェクトを離れる。中心的な役割を担う人が強制的に入れ替わり続ければ、継続的な取り組みや意思の引き継ぎが難しくなる。

そこで2026年春、鍵管理・資金管理といった重要な役割を3人が担うことを明文化し、任意団体「ミナカミロジウラ部」が発足した。

後ろ盾を手放してでも選んだ再生の道

団体化を機に、運営の主体はコアメンバーの3人へ移った。それは同時に、東大主体の体制から大きく転換することを意味していた。それまでキッチンのシンクや玄関の建具、こだわりの照明など、少しずつ形にしてきたDIYを支えていたのは、東大の研究費だった。その財源が使えなくなった今、3人が向き合っているのは「お金をかけずに、何ができるか」という問いだ。

東大とのDIYの様子。和室の畳を剥がしている(写真:ミナカミロジウラ部)
畳を剥がした和室は使いやすいフローリングに(写真:ミナカミロジウラ部)
東大で余っていたソファやテーブル、エアコンも設置された(写真:ミナカミロジウラ部)

しかし、「片付けをして、お金のかからない部分から手をつけている」――そう語る3人の口ぶりに悲愴感はない。

発足後まず取り組んだのは、2026年4月の片付け会だった。旧社員寮に残されていた布団や生活の残置物を一気に処分した。

片付けには、整理整頓を超えた狙いがある。使えるスペースが増えれば、そのままイベント時の出店ブースが増やせる。ブースが増えれば出店料収入も増え、その分を次の活動費に回せる。お金をかけられない今だからこそ、体を動かして片付けること自体が、資金循環の起点になっているのだ。

片付けで発掘した食器などを販売で得たお金も、貴重な活動資金だ(写真:筆者撮影)
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