さらにこの背景には、学生が関わるプロジェクト特有の構造的な問題もあった。学生はいずれは卒業してこのプロジェクトを離れる。中心的な役割を担う人が強制的に入れ替わり続ければ、継続的な取り組みや意思の引き継ぎが難しくなる。
そこで2026年春、鍵管理・資金管理といった重要な役割を3人が担うことを明文化し、任意団体「ミナカミロジウラ部」が発足した。
後ろ盾を手放してでも選んだ再生の道
団体化を機に、運営の主体はコアメンバーの3人へ移った。それは同時に、東大主体の体制から大きく転換することを意味していた。それまでキッチンのシンクや玄関の建具、こだわりの照明など、少しずつ形にしてきたDIYを支えていたのは、東大の研究費だった。その財源が使えなくなった今、3人が向き合っているのは「お金をかけずに、何ができるか」という問いだ。
しかし、「片付けをして、お金のかからない部分から手をつけている」――そう語る3人の口ぶりに悲愴感はない。
発足後まず取り組んだのは、2026年4月の片付け会だった。旧社員寮に残されていた布団や生活の残置物を一気に処分した。
片付けには、整理整頓を超えた狙いがある。使えるスペースが増えれば、そのままイベント時の出店ブースが増やせる。ブースが増えれば出店料収入も増え、その分を次の活動費に回せる。お金をかけられない今だからこそ、体を動かして片付けること自体が、資金循環の起点になっているのだ。


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