また、食品売り場のある地階の専用ブースで調理しているが、設備が限られているため、調理工程やオペレーションのすり合わせに時間を要した。やっと決まったのが開店1週間前だったそうだ。
「神戸牛を使っているので、そのまま煮るとやはり脂の重さが出てしまうんですね。まず肉を焼いて脂を甘みに変えてから煮る工程が、松屋フーズとしては譲れないところでした」(木下)
「最初はコンロを使い鉄板で焼きながら煮る方法を考えていましたが、それだと時間がかかり、想定する販売数量を作れません。ホットプレートにするともっと効率が良くなるということなので、電気をいろいろなところから引っ張ってきたり……。既存の設備の中で調整していただくのが大変だったと思います」(山下)
価格設定も工夫のしどころだった。松屋PREMIUMの単価は売り場全体でも「上中下」でいえば「中」程度のところ。とくに牛めしの値段は百貨店側も重視したという。
「牛めしは主軸の商品。これがもし高いと思われて手に取っていただけない、というのは勿体無い。なので無理を言ってギリギリのところまで下げていただきました」(山下)
同店の売り上げの6〜7割は牛めしが占めており、これは通常の松屋店舗の3〜4割とは大きく異なっている。
前年比プラス10%を毎月更新 松屋以外の売り上げもアップ
このように双方の松屋が「異なる客層の取り込み」を狙い、互いの魅力を生かしながら実現した松屋PREMIUM。売り上げは過去最高を記録した2025年の催事に匹敵するという。かたや1週間限りのイベントであることを考慮すれば、驚くべき数字なのだそうだ。
また前述の通り、双方の狙いである客層拡大も実現できている。従来になかった客層を呼び込めているほか、オープン以来、全体の売り上げが前年比プラス10%を更新しており、とくに松屋PREMIUM以外の売り上げも伸びていることに、効果を実感しているという。


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