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ビジネス #富士フイルムの大決断

〈富士フイルムHDの大決断〉ついに看板事業「旧富士ゼロックス」を分離、成長柱にバイオCDMOと半導体材料を掲げる勝算

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本業の写真フィルムの消滅危機に直面し、多角化を進めてコングロマリット企業となった(撮影:尾形文繁)

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祖業である写真フィルム事業の消滅危機から四半世紀――。富士フイルムホールディングス(HD)は40件以上のM&A(合併・買収)をテコに医療機器や医薬品、半導体材料へと大胆に事業領域を広げてきた。「事業転換の成功例」として語られる同社が、再び大きな決断に動いた。

長年、グループの看板事業だった旧富士ゼロックスを分離する。8月6日、複合機などを手がけるビジネスイノベーション(BI)事業について、パーシャルスピンオフ (事業分離)を含む戦略的選択肢の検討を始めると発表した。

富士フイルムBI株の20%未満を保有しつつ、残りを富士フイルムHD株主に分配したうえで独立・上場をさせる手法になる。2~3年後の実行を想定し、親会社が20%弱の株式を保有し続ける方針だ。独立後も富士フイルムブランドの利用やグループとの協業は続けるという。

「これは青天の霹靂だ。複合機やグラフィック事業は、古森さん(古森重隆・元会長)にもゆかりの深い事業。社内には複雑な思いを抱く人もいるのではないか」。ある富士フイルム関係者は、そう打ち明ける。

BI事業の母体である富士ゼロックスは、世界で初めて普通紙複写機を実用化したアメリカの名門ゼロックスとの合弁会社として1962年に発足した。歴史あるBI事業は、複合機や商業印刷向け機器のほか、企業のデジタル化を支援するITソリューションを展開し、売上高は1兆1748億円(2026年3月期)と連結全体の3割超(下図)、営業利益でも2割近くを稼ぎ出す。

「中興の祖」の肝煎り事業

写真フィルム市場の急激な縮小に直面した00年代、同事業の存在感はとりわけ大きかった。00年に社長に就任した古森重隆氏は「第2の創業」を掲げ、医療や高機能材料などへの多角化を推進。その過渡期に安定してキャッシュを生み出し、グループを支えたのが複合機事業だった。

古森氏が会長兼CEOだった18年には「長年の悲願」として、米ゼロックス本体の買収に乗り出した。交渉は破談となったが、19年にゼロックスが保有していた富士ゼロックスの株式25%を富士フイルムが取得して完全子会社化。 社名からゼロックスを外し、現在の富士フイルムビジネスイノベーション(BI)へ改称した。21年間にわたりトップを務めた「中興の祖」である古森氏にとって、富士ゼロックスは肝煎り事業だった。

かつては外資系企業さながらに独立色の強かった富士ゼロックスの社風も、持ち株会社主導のガバナンス改革や人材交流を重ねて変化し、ここ数年でグループになじんできたところだった。

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