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アメリカ南東部のノースカロライナ州に立ち上がった富士フイルムの工場(記者撮影)
富士フイルムが総額1兆円超を投じ、挑むのは医薬品の開発から製造までを請け負う「CDMO(受託開発・製造)」事業だ。中でも成長著しいのが、生物由来の成分を活用した「バイオ医薬品」である。
スイスのロンザ、中国のウーシー・バイオロジクス、韓国のサムスン・バイオロジクスなどが先行する中、日本勢はどのような存在感を示せるのか。アメリカで立ち上げた最新工場のルポや、キーマンへのインタビュー、市場の動向分析を通じて、富士フイルムの勝算を探る。
富士フイルムが仕掛ける過去最大規模の投資が、いよいよ動き出す。
その舞台は、アメリカ南東部のノースカロライナ州ホーリースプリングス市。涼しげな秋風に揺れる木々を抜けると、真新しい巨大工場が視界いっぱいに広がった。がん治療などで使われる抗体医薬品など、バイオ医薬品の製造を受託する新拠点が、今年ついに稼働する。
総敷地面積は約60万7000平米と、東京ディズニーシー1個分に匹敵。9月下旬に現地で開かれたオープニングイベントでは、工場内部が公開された。
8基ある2万リットルの培養タンクの高さは約7メートル。3階分の階段を登ってようやくタンクの上部がうかがえるほどだ。別棟では追加の8基を建設中で、2028年までに全16基が稼働する予定。年間で最大5000万回投与分の製造が可能となる。
