中国はどこまで半導体を国産化できるのか――。この問いが、業界の日本メーカーと日本政府にとってますます真剣味を帯びている。
〈アップルも採用検討か〉中国メモリーメーカーYMTCがキオクシア超え世界シェア3位に浮上、技術力と生産能力のすごみですでに報じたとおり、中国のNAND型フラッシュメモリーメーカー・YMTC(長江存儲科技)は、日本のキオクシアを超えて世界シェア3位に浮上した。同様にDRAM大手のCXMT(長鑫存儲技術)も7月に親会社が上海証券取引所に上場を果たし、取引初日に時価総額が78兆円と中国本土上場ではトップになった。
実のところ、中国が国産化しようとしているのはメモリー半導体や、TSMC(台湾積体電路製造)に対抗しうる先端チップ製造だけではない。サプライチェーン丸ごとを自国で完結させようというのが中国の戦略だ。日本には材料や装置といった川上分野で高シェアを誇る企業が多いが、こういった企業にも、中国国産化の脅威が迫りつつある。
フォトレジストの国産化に挑む
「上海新陽半導体材料」という社名を聞いてピンとくる人は、半導体業界でも多くはない。民営の半導体材料メーカーであり、フォトレジスト国産化に関わる中国企業の1社である。基板に電子回路を光で焼き付ける際に塗布する感光剤であるフォトレジストは、JSRや東京応化工業などの日本メーカーが高い市場シェアを持っており、中国の国産化政策でもターゲットとされている分野である。
この新陽の決算資料には、次のようにはっきりと書かれている。
「中国にとっては、半導体関連の重要な工業品を自主開発することが急務となっている。その中で当社は、政策支援を受けて国家の主要な科学技術開発を担い、継続的に国家の資金を獲得している」――。
同社は2016年ごろからフォトレジストの開発に取り組んでおり、25年12月期にはフォトレジスト開発に対する政府補助金を合計1100万元(約2.5億円)得ている。現状はメッキ液・添加剤、洗浄液といった半導体材料が主力で、フォトレジストについては成熟プロセスで使われるKrF露光装置向けでいくらか販売実績があるぐらい。最先端のEUV露光装置向けを手がける日本メーカーにとっては、現状ではまったく脅威ではない。
だが、以下のような事実を知れば、日本メーカーは「イヤな感じ」を覚えるに違いない。
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