オタク像の変遷を辿る
現代社会は、オタクと消費が強く結びついて語られる時代です。実際、少なくない論者は、オタクの消費活動を称揚する議論の浮上を批判的に論じています。
当初は個々のファンの特定の対象への強いコミットメントを示すものであった「推し」が、「推し活」という言葉とともにファン経済の力強さを示すものとして理解されるようになり、3.11以後の震災復興の文脈で浮上してきた「応援消費」が、次第に「推し活」の同義語となっていく1。
オタクであることと、購買力を持つ消費主体であることは、現代社会においてはほぼイコールのように取り扱われている、というわけです。
そして、このような価値観は、オタクを自称する人々の中にも次第に内面化されていると論じられてきました。
メディア研究者の田中東子は、『オタク文化とフェミニズム』のなかで、以下のような指摘をしています。
「『お金を落とすことがいいオタク』という見方が少なくともSNSの中で蔓延している。……ファンやオタクの側も、過度な消費行為を非常にポジティブに語るようになっている」と2。


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