筆者らの研究グループではヒトと同様の周年繁殖動物ネズミの光飼育環境で、昼12時間・夜12時間または昼14時間・夜10時間の2条件を用意して比較しました。
ネズミのメスは通常、4~5日周期で排卵します。この周期が安定して4日で回ることは、生殖機能が整っているサインです。きちんと排卵して、妊娠しなかったら次の卵を排卵するというように。
結果は明確でした。昼12時間では、4日周期を保てたのは約半数。ところが、昼を2時間延ばしただけで、約7割以上が安定した4日周期になったのです。
つまり、"昼が少し長い"だけで、排卵のリズムが整い、妊娠しやすい状態に近づいたと考えられます。
排卵が安定する=妊娠のチャンスが増える
排卵周期が5日から4日になると、妊娠のチャンスは確実に増えます。たった1日の差に見えても、生物学的には大きな意味を持ちます。妊娠率が20%から25%に上がるわけです。
この結果は、「1年中妊娠できる」ヒトであっても、日照時間が長い季節や、昼の光をしっかり浴びる生活が、妊娠しやすさを後押しする可能性を示しています。
特別な治療や高価なサプリの前に、まずできることがあります。朝~昼にしっかり外に出て、日光を浴びる。それだけで、体内時計は整い、ホルモンのリズムも安定しやすくなります。
妊活は、がんばりすぎるほど遠回りになることがあります。光という"自然の合図"を味方につける。それは、最も基本的で、最も確かな近道なのかもしれません。
「ヒトは一年中いつでも妊娠できる」。たしかに生物学的にはその通りです。しかし、過去の統計データを詳しく見てみると、人の出生にも"季節のリズム"がはっきり存在していたことが分かります。
図30は、明治32年から平成12年までの日本における月別出生率の推移を示したものです。とくに注目したいのは、明治から昭和初期にかけてのデータです。
この時代、日本では1月・2月・3月生まれが多く、6月・7月・8月生まれが少ないという、非常に分かりやすい季節性が見られます。


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