最も悲惨な結末をもたらしているのが、PEによる「刑務所医療の乗っ取り」である。
HIGキャピタル傘下の「ウェルパス」や、ブルーマウンテン・キャピタル傘下の「コリゾン・ヘルス」は、全米の受刑者数十万人の医療サービスを独占している。
これらの企業もまた、「受刑者一人あたり」の定額報酬契約を結んでいるため、受刑者への治療や投薬を拒否して放置すればするほど、ファンドの利益が最大化する仕組みになっている。
アリゾナ州では、59歳の受刑者の体に膿や滲出性病変が発生し、そこにハエが群がってウジがわいている状態であるにもかかわらず、コリゾンの看護師たちは助けを求める叫び声を完全に無視し、最終的に死亡させるという凄まじい事件が発生した。
また、がんやC型肝炎の治療薬が「高すぎる」という理由で投薬が意図的に数カ月間延期され、受刑者が独房で苦しみながら死亡するケースも常態化している。
さらに、ワシントン州ではコリゾンが費用節約のために「週に1回の休薬期間(薬を一切与えない期間)」を勝手に宣言するなどの暴挙を行い、裁判所から巨額の賠償命令を受けている。
他人事ではない冷酷な手法
PEファームは、社会の中で最も声を上げられず、反撃する手段を持たない受刑者たちを実験台にして、極限の「略奪的経営」を日々洗練させている。
そして、刑務所で培われた「人々の逃げ場のなさにつけ込んで、尊厳を奪いながら料金を搾り取る」という冷酷な手法は、いずれ医療、住宅、介護といった一般社会のあらゆるインフラを通じて、私たち自身にも適用されることになるのだ。


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