この点を踏まえながら、続くグローバリゼーション3.0、そして現在の私たちが経験しつつあるグローバリゼーション3.5の話に議論を急ごう。
「グローバリゼーション3.0」とは、本稿の初めで述べたように、16・17世紀前後からイギリスを象徴的な起点として市場経済そして資本主義というシステムが世界に広がるとともに、そのプロセスの中で市場化・工業化・情報化という動きが展開し、現在に至っている流れである。
これは単なる人や民族の移動ではなく、商品・貨幣・資本が地球規模で移動するというグローバリゼーションであり、植民地化 → 世界貿易 → 工業化 → 資本主義 → 多国籍企業 → 金融市場等という形で展開していった。ここでは「人間が移動する」こと以上に、モノ・資本・情報が移動することが重要になる。その意味で現在われわれが普通に「グローバリゼーション」と呼んでいるものは、このグローバリゼーション3.0の最終段階とも言える。
グローバリゼーション3.5の意味
そして「グローバリゼーション3.5」である。
20世紀後半以降、グローバリゼーション3.0そのものが自己矛盾を起こし始めている。
すなわち資本主義は、「地球上には開拓できる市場・資源・自然が無限にある」という暗黙の前提のうえで拡大してきた。ところが現在は、気候変動、生物多様性の喪失、土壌・水資源、海洋汚染、資源制約等々によって、「地球そのものが有限なシステムである」ことが明確になってきている。
ここで、グローバリゼーションの意味がいわば反転することになる。
つまり「グローバリゼーション3.0」では、「地球上の各地を一律に市場にしていくこと」が目標だった。しかしグローバリゼーション3.5では、「地球そのものを一つの有限な生態系として認識する」ことが課題になる。


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