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教室で"透明な存在"だった少年…居場所なくし不登校になった彼が、在宅医と始めた"たった5分の外出"でつかんだ未来

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暗い部屋で落ち込む男の子
最初から「学校に戻る」ではない。回復はとても小さな選択から始まる(写真:metamorworks/PIXTA)
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やがて朝起きられなくなりました。起きようとすると、お腹が痛くなる。制服に袖を通そうとすると、吐き気がする。

母親は言い続けていました。

「頑張らなくていいよ」

「無理しなくていい」

「ゆっくり休もう」

それは、真摯な愛情でした。壊れてしまうより、止まっていてほしい。まずは生きていてほしい。1年が過ぎました。少年は昼夜が逆転し、外に出ることはほとんどなくなりました。

私が初めて訪問したとき、彼は布団の中で、顔を見せませんでした。声をかけても、返事はない。けれど、完全な無反応ではない。わずかに、息遣いが早くなる。

私は布団の横に座りました。何も急がない。何も迫らない。数分の沈黙のあと、小さな声が聞こえました。

「どうせ、学校に行けって言うんでしょ」

その言葉には、怒りよりも、あきらめが混じっていました。私は答えました。

「いきなり、学校に行けとは言わないよ」

「でも、止まったままでいいとも思っていない」

布団の向こうで、わずかにからだが動いたのがわかりました。

未来を開くヒント:急がない。迫らない。でも、止まったままにしない。

嫌になったら、すぐ戻ろう

■最初の挑戦は「家の前に出ること」

少年の最初の挑戦は、家の前に出ることでした。

玄関まで行く。ドアノブに触る。外の空気を吸う。それだけです。

「5分で戻っていい」

「嫌になったら、すぐ戻ろう」

母親は不安そうでした。

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