まず、もともと壁付けキッチンだったものを、バーカウンターのようなペニンシュラ型(キッチンの左右どちらかが壁に接しているタイプ)に変更していた。無理やりな仕様変更は配管にも無理が生じており、このままでは水漏れの危険性もあるという。
また、キッチンのカウンタートップの高さは110cmもあり、身長150cmと小柄な筆者は踏み台を使っていたが、時に踏み外しヒヤッとすることもたびたび。中途半端に造作した棚やパントリーも使い勝手が悪い。“いっそのこと”には、こうした部屋全体の細々とした不満を一掃したい気持ちが大いに含まれていた。
「更年期障害」がリノベを考えるきっかけに
生まれ故郷である京都から上京して初めて住んだ街、中目黒。この街を選んだのは、プチマーケティングリサーチによる。筆者をよく知る東京在住の5人に、おすすめの街をそれぞれ5つ推薦してもらったのだ。代々木上原を推す人もいれば高円寺をすすめる人もいた。だが、価値観の違う5人全員が挙げたのが中目黒だった。
以来、20余年。この街しか住んだことのない筆者がマンションを買ったのは12年前、50歳のときのこと。分譲貸しのマンションの区分所有者、つまり大家から「売却したいので退去してほしい」と告げられたことがきっかけだった。出ていけと言われて住処を探すも、現在と同条件の駅チカで、趣味のバイクを2台置ける地下駐車場があって、そこそこ広い物件なんて皆無に等しかった。
途方に暮れていた筆者に大家が「それなら買わないか」と持ちかけてきたが、おいそれと買える価格ではない。ところがしばらくして売り急いだのか半額に近い額を提示され、それならばと購入したのである。
現在のマンションの家賃や購入価格の高騰を見ると、このときのタイミングはラッキーだったと思わざるをえない。そして還暦を迎えたタイミングで、「終の住処」づくりがスタートしたのだ。


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