この夏のお盆期間(8月7日~16日)における、高速道路の交通状況が発表された。全体の通行量(期間中1日当たりの平均)は、昨年比99%の4万5700台と微減。
10km以上の渋滞は計312回で、事前予想の436回より3割ほど少なく、また昨年の345回よりもおよそ1割の減少だった。
熊本地震による九州道の一部区間の通行止め(8月14日に九州道は一般車も通行再開、南九州道の一部は現時点で再開時期未定)や、8月11日に茨城県に上陸した台風15号、千葉豪雨をもたらした大雨などの影響もあったと考えられるほか、物価高などから帰省を控える動きがあったことも理由となりそうだ。
ちなみに、同時期のJRの利用状況がほぼ前年並み(一部の新幹線は微増)である一方、航空路線の国内線はJAL、ANAともに6~8%の減少となっている。
航空会社では、8日前後の台風13号により、沖縄発着の便に大幅な欠航が出た影響が大きいと分析しているが、高速道路と同様に、観光や帰省を思いとどまる人の影響もあったかもしれない。
希薄になっていく「帰省する意味」
いくつかのシンクタンクによる調査では、アンケートに「帰省しない」と答えた人が5割程度あり、帰省しない理由に「費用がかかるため」と答えた人が多いことも報告されている。
帰省については、単に移動費用の高騰だけではなく、日本社会の構造的な変容もじわじわ効いている可能性が高いと思われる。
お盆の帰省は、「実家でくつろいだり、孫の顔を両親に見せる」「出身地で墓参などお盆の行事に参加する」といったことが主要な目的であった。
実際、以前は筆者も毎年お盆の期間に親に顔を見せるとともに、仏壇や先祖代々の墓で手を合わせるためにマイカーで帰省していた。
しかし、親が他界し実家が更地になり、子どもも成人し他家に嫁ぐと、わざわざ猛暑のさなかに故郷に帰る理由が希薄になり、その頻度は減った。
未婚化や少子化は、親に会わせるべき“孫“の減少を意味するし、ブームともいえる“墓じまい“の進行は、「故郷で墓参」のニーズを減らす。それに加えて、今年は9月のシルバーウイークが5連休になるため、暑さを避けてこちらに移動をずらす人も少なからずいるだろう。


※ログイン後、コメント入力が可能です。