この区間に、以前は渋滞の名所だった「天王山トンネル」がある。本能寺の変で信長を討った明智光秀軍と羽柴秀吉軍が相まみえた、山崎の戦いの舞台となった歴史上の古跡を貫くトンネルだ。
ここは現在、2車線のトンネルが4本、上下計8車線と拡幅されて、渋滞情報でも名前を聞かなくなった。
熊本地震の影響は通行量の数値にも
昨年と比べて最も交通量が減った区間を見ると、やはりというべきか、そこには九州道(菊水IC~植木IC)の名があった。
熊本地震の発災直後は、熊本県北部の区間で一時「植木IC」以南が通行止めとなっている。お盆期間の通行台数は、4万5100台で昨年比91%。これより南の「松橋IC」から宮崎県にかけての区間は13日まで通行止めだったので、鹿児島、宮崎方面への帰省、観光のクルマが抑制されたと考えられる。
特に小型車に限れば前年比89%となっているので(大型車は前年比113%とむしろ増えている)、そのことが裏付けられている。
そのほか、日別・方向別のデータを見ると、下りでは混雑が予想された8日(土)の交通量が昨年(同じ曜日並びで比較)より減り、交通量が少ない10日(月)が昨年より増えて平準化が進んだ。
一方、上りでは、最も混むと思われる15日(土)が昨年と変わらないなど、あまり大きな変化はない。
とはいえ、最も長い渋滞が最終日の16日に起きたことも含め、概して全体の交通量が少し減って「分散」も進んでいると考えてよさそうだ。
同じ時期に一斉に長期休暇を取る日本の社会構造はなかなか変わらないが、事前に発表される予測を見て、より空いている時期にずらす傾向が結果に表れているなど、情報をうまく咀嚼して行動につなげる流れが見られるようになっているように思う。
これまで、夏は長期旅行やレジャーのハイシーズンであったが、海外旅行も国内旅行も経済状況や気象の変化を反映して「安・近・短」傾向が加速している。
海水浴や花火大会といった夏のレジャーの定番も、意識の変化や有料化などさまざまな要因で敬遠されてきていることを考えると、お盆の大渋滞も今後変化が進むかもしれない。そんなことを考えるこの夏の「決算」の読み解き方であった。


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