第5回の「『AIで管理職はいなくなる?』2030年の会社組織を予測する」では、AIをマネジメントのオペレーションシステムとして組み込む「2030年の管理職」を想像した。最終回となる今回は、さらにその先の「2040年の管理職」を考えてみたい。40年になると、単なる技術だけでなく、「人口動態」の劇的な変化によって、管理職の構造そのものが変わると予想される。
中間管理職がいなくなる日
現在、日本で管理職のボリュームゾーンを担う1971〜74年に生まれた「団塊ジュニア世代」は、2030年代後半から2040年にかけて65歳を迎える。各年200万人を超えるという、最も労働人口の多い世代が一斉に現場を去ってしまうのだ。ところが、その後を継ぐ世代はその6割にも満たない。
つまり、ポストは大量に空くにもかかわらず、そこに就く人が物理的に存在しなくなる。企業は構造上、階層を圧縮せざるを得なくなり、もはや年功序列で管理職を補充していくやり方は完全に限界を迎える。
こうした変化は段階を経て訪れる。まず、技術の進化に伴ってAIが管理職のさまざまな業務を代替・自動化する。そうした時期には、組織全体でAIへの適応に苦戦し、かえって管理職の負担が増える可能性がある。だからこそ、今のうちから育成体系、判断の基準、成果の水準、動機への向き合い方、そして役割の作り替えに取り組むことが必要だ。
そして40年には、労働人口の変化に加え、AIとともに協働することが当たり前となる。情報を中継するだけの層が不要になり、日本にもGreat Flattening(大平坦化)が訪れるのだ。
管理職は、昇進の到達点ではなくなる
情報を中継するだけの層が不要になった、管理職の役割は2つに分かれていくと推察される。経営の近くで制度やAIの権限や判断基準を言葉にする「制度設計者」と、1人で10〜20人のメンバーとそれを支えるAIを束ねる「現場運営者」だ。
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