「残業は減らした」「有給もちゃんと取らせている」「ハラスメント研修もやった」「1on1ミーティングも定期的に実施している」それでも若手社員が、体調を崩して次々と辞めていく。
最近、人事担当者や中小企業の経営者と話していると、こうした切実な声を聞く機会が本当に増えている。彼らは決して従業員を使い潰そうとしているわけではない。働き方改革に真面目に取り組み、労働環境の改善にコストと時間をかけてきた企業でも、この現実に深く悩んでいるのだ。
筆者はウズウズカレッジという会社で、IT分野の採用支援や育成研修を行っているが、今回は、グループ会社のUZUZがまとめた「Z世代における『退職・転職理由』の実態レポート(2020年~2026年上半期)」(有効回答数34686)と、現場のキャリアアドバイザー(CA)へのヒアリングをもとに、「残業は減っているのに、若手が体調を理由に辞める」という現代の逆説的な状況について考えてみたい。
表面上はホワイトなのに退職が続出
少し前まで、若手が体調を崩す職場といえば、月60時間を超えるような長時間労働、常態化した休日出勤、オフィスに響き渡る強い叱責がある「ブラックな職場」を想像しやすかった。
しかし今の状況は、そこまで単純ではない。むしろ表面上はホワイトに見える企業であっても「心や体の不調による退職」が起きているのだ。
実態として、レポートでは残業時間は以前より減っている。上司もコンプライアンスを意識し、昔ほどしかったり、怒鳴らなくなった。それなのに、若手が「もう無理です」「体調を崩しました」と言って、ある日突然、会社を離れていく。


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