「婚外恋愛といえば、不倫を想像するかもしれません。しかし必ずしも直結するものではなく、心の通い合いを尊重する関係が前提です。同じ境遇の人同士が支え合ったり、体の関係を伴わないプラトニックな関係で癒やし合ったりと、多様な関係性があるのです」という磯野さん。
登録者が利用できる匿名の掲示板をのぞいてみると、家庭外に純粋に救いを求める女性が多いのは確かなようだが、それでもプラトニックな恋愛はごく少数派のように感じられる。つまり、体の関係に発展する出会いが主流のように見受けられる。
「正直、当初の理想からかけ離れていく状況に『私が運営をやる必要はないのではないか』と考えた時期もありました」と磯野さんも苦笑するが、「それでも、利用者にはサイトに来ざるを得ない理由があり、気持ちが和らぐなら存在意義がある。今はそう折り合いがついた」という。
だからこそ、譲れないポリシーとして「匿名の出会いであっても、人として当然の思いやりを持つこと」を挙げている。「顔が見えない画面越しのやりとりでは、相手への配慮がついおろそかになりがちだが、心の通う出会いを重視するHealmateではリアルの人間関係と同様に礼節やマナーを大切にしてほしい」(磯野さん)という思いは強い。
監視は24時間体制
それが強く現れているのが、登録直後に全10回にわたって送られてくるメールマガジンと掲示板の運用ルールだろう。
女性向けメールマガジンでは、恋愛前提ではありながらも危険回避と自己防衛の情報を配信。男性に向けては”攻略法”ではなく、マナー遵守と啓蒙に徹するメールマガジンを3日に1回、全10回にわたり送っている。
「何かあったときに傷つくのは結局女性。なるべくリスクを減らしてもらいたい」という思いは、やはり磯野さんの原体験によるところが大きい。
また、「掲示板が楽しいから会員登録している人がいる」というほど活況を呈している掲示板についても、投稿に関するルールが徹底されている。
監視は24時間体制。マッチングアプリでありながら、閲覧者が不快になるような性的な表現や内容、分散(複数人との交際)に関連する表記、マッチング誘導などは禁止されており、社員たちの人海戦術で徹底的に削除されていく。
しかも、利用者にもサイトポリシーが浸透しているため、不適切なものを発見すると会員から通報が入る。書き込みの内容だけではなく、実際のマッチングで起こったトラブルなどについても「それ通報案件だよ!」「運営に言ったら対応してくれるよ」などの会話が、掲示板上で日常的になされており、会員たちの意識の高さもうかがえる。
ソフト面での対応だけではない。セキュリティーなどの技術をはじめとしたハード面でも注力ポイントは同様だ。
身分証による年齢確認の徹底、身バレ防止機能に加え、当初から目指していた「女性にとっての安心安全」「女性の居場所づくり」のために、年間100以上のサイトの改修も行っているという。
不満や要望は、掲示板や運営に届く声を拾うほか、定期的に運営側が主催するイベントで直接会員の声を聞くことで改善を重ねているという。
「会員の方もちゃんと声を反映してくれるとわかっているので、どんどん要求を上げてきてくれます。スタッフもその期待に応えようというのがモチベーションになっているところがありますね」(磯野さん)


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