筆者の実家があるのは瀬戸内海に浮かぶ島なので、山より海の方が近く、山での生活ははじめてがいっぱいだった。そんな暮らしの中で日課にしていたのは、「ヘビの抜け殻探し」と「木苺のつまみ食い」の2つだ。
それまでヘビの抜け殻なんて見たことがなかったのだが、山の中のそこら中に落ちていた。
「ヘビの抜け殻を持っちょると、お金持ちになれるけえのお」
初めてヘビの抜け殻を見て驚く筆者たちに、祖父がそう教えてくれた。それ以来、大富豪を目指してヘビの抜け殻を探し続けていた。
何よりうれしかったのは、祖父母が所有する山には木苺がたくさん茂っていたことだ。通りがけの道で両手いっぱいに摘み取り、水道まで歩いて行く。途中つまみ食いしたい気持ちになるが、たぬきや猫などの動物も多いのでちゃんと洗って食べるように言い含められていた。
それに、一度に採りすぎると明日の分が無くなってしまう。
「今日はこれくらいで我慢せんとね」
兄とそう声を掛け合いながら、約1カ月かけて生い茂る木苺を堪能していた。
祖父に連れられ水族館へ。サメのいるプールに落ちて号泣
そんな夏休み最大の思い出は、水族館へ連れて行ってもらったことだ。当時連れて行ってもらったのは、山口県大島郡周防大島町にある「なぎさ水族館」。ここには、日本最大級の広さを誇る、屋内の「タッチングプール」がある。
海の生き物には慣れ親しんでいる子どもだったが、水族館で海の生き物を触る経験は初めてだった。兄と2人、目を輝かせながら裸足になって生き物たちを見て回る。再現された潮溜りには、ヒトデやナマコなどの生き物がいた。
「俺ヒトデ触れた!」
「ナマコ触ったー!」
と、無邪気な声をあげながらはしゃぎ回る。さて、このプールには大小さまざまな魚だけでなく、なんと「ドチザメ」や「ウチワザメ」などの生き物も展示されていた。


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