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ビジネス #「財新」中国Biz&Tech

他社製使い性能向上…AIの「蒸留」は悪か? 中国勢にアメリカ政府は制裁警告 シリコンバレー企業はオープンソース支持

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アメリカ政府が中国AI企業に振り上げたこぶしに対し、シリコンバレーは批判的だ(写真はイメージ、artswai/PIXTA)
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シリコンバレーの約200社のスタートアップ企業で構成される「スモールテック協会」も、トランプ大統領、ラトニック商務長官ら宛てに書簡を送り、アメリカが中国のオープンソースAIへのアクセスを制限しないよう求めた。アメリカのスタートアップ企業が海外ですでに使用されているAI大規模モデルを(開発のために)使用することを禁じれば、競争力が弱まり、既存の大企業がさらに有利になるだけでなく、コストが上昇し、選択肢が減ると指摘。その一方で、海外の競合他社は世界市場のすべての資源を利用できるため、競争条件の不平等が生じると指摘した。

エヌビディアのジェンスン・フアンCEO(写真)は中国AIの蒸留を理由に制裁など課すべきではないという立場だ(同社ウェブサイトより)

アメリカ政府が「蒸留」を警戒するようになった直接のきっかけは、中国の新興企業、「月之暗面(ムーンショットAI)」によるKimi K3の開発だ。このモデルはAIの知識量などの能力を示す指標の一つ、パラメータが2.8兆に達し、それまで中国製AIでは最先端とされてきたディープシーク(DeepSeek)のV4-Proの1.6兆を上回り、これまでのオープンソースモデルとして最大水準に達した。

この点についてトランプ大統領の側近であるホワイトハウス科学技術顧問のマイケル・クラジオス氏はXへの投稿で、Kimi K3モデルの開発にあたり月之暗面はアンソロピックのAIにアクセスし、データを取り出していたと非難した。アンソロピック自身も2月に、自社のAI「クロード」に対し中国のディープシーク、稀宇科技(ミニマックス)、月之暗面が不正アカウントを通じて15万回、1300万回、340万回のやり取りを行ったと非難。政府に制裁を求めるとともに、自社のAIへの中国企業アカウントからの利用を禁止している。

ノーベル賞受賞者も「蒸留」活用を提唱

そもそもAIの「蒸留」はどこまでが知財権などのルール違反になるのだろうか。学術界では、「知識蒸留(knowledge distillation)」という概念はずっと前に存在していた。2015年、「AIの父」とも称されるノーベル賞受賞者ジェフリー・ヒントンは『ニューラルネットワークにおける知識の蒸留』という論文で、複数のモデルを組み合わせて構成する集合モデルから学んだ知識を「蒸留」して単一モデルに実装し、開発コストを下げることを提案していた。

あるAI検索開発者の財新への簡潔な説明によれば、「蒸留」とは、学生モデルが他の教師モデルの能力を学ぶことを意味する。蒸留は、特定の問題や分野においてモデルの能力を迅速に高める非常に効率的な手法であり、通常は小型モデルの圧縮や特定分野の知識補完に用いられ、業界の垂直分野では多く使われている。

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