そこでAI(人工知能)を使い、予約が入るたびに配車と経路を組み直す。この意味において、オンデマンドバスはAIの発達によって本格的な運用が可能になった方式と考えることができる。
ただし、ここで用いられるAIは、ChatGPTのように文章を書く生成AIではない。主として、配車・経路・乗車順序を最適化する計算システムである。
なお、現在のオンデマンドバスの多くは、人間が運転している。AIオンデマンドバスとAI自動運転バスは別のものだ。もちろん、両者を組み合わせ、AI自動運転車をAIが配車する形もありうる。
大阪で進むオンデマンドバスの本格的運用
大阪でオンデマンドバスが広がっていると冒頭で述べたが、これは1つの事業主体がオンデマンドバスを運営しているわけではない。現在、最も大規模に進んでいるのは、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)による大阪市内のオンデマンドバスだ。
大阪市では2021年3月に生野・平野地域で始まり、その後、北区や福島区などへ拡大。24年4月には北区、福島区、生野区、平野区で本格運行に移行した。
現在は大阪市24区すべてで運行されている。ただし、全区が本格運行になったわけではなく、本格運行地域と社会実験地域が混在している。大阪市都市交通局の資料によると、25年10月時点で利用者は延べ150万人を超えたという。
大阪市のオンデマンドバスは実験段階を終え、都市交通の一部に移行しつつある。鉄道や路線バスが比較的充実している大都市で、駅から離れた住宅地や病院、商業施設への移動、区内の短距離移動、高齢者や子育て世帯の移動など、路線バスでは採算が取りにくい需要に対応しようとしている点が特徴だ。


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