もちろん、しんどい日もあった。5月や6月でも寒気がしてマフラーを巻きながらジョギングした日もある。それでも三松さんは、この半年を振り返ってこう言い切る。
「しんどいはしんどいんだけど、この半年間、本当に楽しかったんですよね」
友人の存在が、副作用を忘れさせてくれた
三松さんの治療生活を支えたのは、こうした「友人」の存在もあった。三松さんは告知後、隠すことなく多くの友人に病状を伝えた。すると友人たちは皆、心配して話を聞きに来てくれた。それによって、つらい副作用のことも忘れられたのだという。
抗がん剤の副作用が最も重くなるタイミングに、あえて友人を招くこともあった。
「倦怠感はあるけど、『まあまあ、慰めてよ』みたいな感覚で来てもらうんです。友達が来ると、おしゃべりしているうちに副作用のことを忘れちゃうの」
治療を経て、三松さんの中で大きく変わったことがある。それは、これまで見えていなかった「弱っている人たち」の存在に気づいたことだ。
「今まで私は、健康で元気だねって周りに言われ続けてきた人生でした。だから心のどこかで、自分は病気とは無縁だと思い込んでたところがあったと思います」
抗がん剤治療のために通う病院で、三松さんは同じように点滴を受ける若い患者たちの姿を目にするようになった。
「30代、40代の、いかにも元気そうなサラリーマンや主婦の方たちが、点滴センターにたくさんいる。今まで自分には見えていなかった景色が、急に見えるようになりました」


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