当時はまだ有効な治療薬が少なく、「あと5年後、死んじゃうかもしれない」と打ち明けられた三松さんは、智久さんの心の支えになっていく。転機になったのは、ある日たまたま同席した知人が持っていた「5年後の目標設定シート」だった。
「これだ!と思って。5年後、自分はどうなっていたいかを明確にイメージできれば、"死"に向かっている思考が変わるんじゃないかと思いました」
三松さんの提案で目標設定のメソッドを学んだ智久さんは、みるみる生きる力を取り戻していったという。
「『マミちゃんが僕の命を救ってくれた』って言われたんです。普段から交流も多く、パーティーやイベントを企画して人生を楽しんでいる私といることで、今まで仕事だけで閉じられた世界しか知らなかった彼に違う世界を見せられたんだと思う」
やがて三松さんが離婚を経て独り身になったタイミングで、2人は自然と寄り添うようになり、結婚に至った。前述の通り、三松さんは3度目の結婚だった。
そして18年の時を経て、今度は三松さんが病になってしまったのだ。
「痒い」と思ってかいたら、“豆のようなしこり”が
三松さんは2年に1度、欠かさず健康診断を受けてきた。1年半ほど前の検診でも、乳房に小さな良性のしこりが見つかっていたが、「経過観察でいい」と言われ、特に気にせず過ごしていた。
異変に気づいたのは、まったく別のきっかけだった。ある日、胸元が痒いと感じてかいたところ、指先に何かが触れた。


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