3年間で、一気に43棟を開設
宮原社長はここからアクセルを一気に踏み込む。
「年間15棟ペースを緩めず、3年間でおよそ43棟を一気に開設しました」
一体どういうことなのか。現在なら実績があるから理解できる。しかし当時のココファンにとっても大博打ではなかったのか。
それでも宮原社長がココファンへの投資の手を緩めなかったのは、1年目で得たノウハウに加え、現場で顧客ニーズをつかみ、形にしてくれた若手社員たちの存在に確かな可能性を見ていたからだ。
なかでも期待を寄せていたのが、前編でも紹介した、「若手のエース」で後に学研ココファン社長となる小早川仁氏だ。
「彼らはやってくれるし、開設すれば満室にできるという確信がありました」
書籍『両利きの経営』でも、組織能力の重要性は繰り返し説かれている。学研の場合、本業で得た知見をもとに新規事業を着想し、本社のエース級社員を抜擢しながら、子会社という別の組織に切り離した。
本業の立て直しを進めながら、新規事業への投資も続ける。学研は、目先の利益よりも将来の成長可能性を優先する決断を下したのである。
現在ココファンは全国20都道府県で約231拠点を展開。振り返れば、1年目の試行錯誤と、それを信じてやり抜いた3年間の集中投資こそが、後の急成長を支える基盤になった。
このようにして、サ高住の投資から回収の流れが出来上がった。
<14日公開の後編へ続く>



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