もちろん、お客様の多くはそんなことに気づきません。でも、それでいいと思っています。持ちやすい、すすりやすい、食べやすい。そう感じてもらえれば十分です。
私がこれまで慣習を変えてきた基準は、いつも同じです。
チェーン店で一番怖いこと
お客様にとって、本当に良くなるかどうか。おいしいことはもちろん大前提ですが、小さな改善を積み重ねて、少しずつ完成度を上げていきたい。その積み重ねが、チェーン店の品質を支えていきます。
チェーン店で一番怖いのは、味や品質がブレることです。1杯だけ120点のそばを作ることに意味はありません。毎日、全国どこの店でも90点以上のそばを提供できることの方が、ずっと大切です。
麺の長さを37センチに統一したのも、そのためでした。そば屋の伝統から見れば、「そんなことを気にしても意味がない」と思われるかもしれません。しかし、お客様にとって食べやすくなるのであれば、変えない理由はありません。
100年続いているものには理由があります。その価値は尊重すべきです。でも、「昔からそうだから」という理由だけで続いているものもあります。
私たちは、その違いを見極めたいのです。常識を疑い、おいしさと再現性、そしてお客様の満足につながるのであれば、迷わず変える。そばを37センチにしたことは、その象徴に過ぎません。


