もう一つ、高学歴人材がつまずくポイントがあります。それは、「時間の使い方」のルールが、受験と社会でまったく違う、ということです。
社会では「1時間で30点のもの」が、正解
受験勉強では、時間をかけた分だけ、点数は伸びました。1週間かけて100点の答えを作ることに、意味があった。「99点より100点のほうが偉い」の世界だった。
でも、ビジネスの世界のルールは、まったく違います。1週間かけて100点の答えを出すより、1時間で30点のものを出して、そこから改善していくほうが、うまくいく場面のほうがずっと多い。
この理由は2つで、1つはスピードそのものが評価されるからです。会議までに間に合わない100点は、間に合った30点に負けます。
そしてもう1つの理由は、正解が「相手」の側にあるから、というものです。
早めに30点を出して見せて、「あ、方向性が違うね」「もっとこの角度で」とフィードバックをもらうほうが、結果的にいいものにたどり着ける。
1週間ひとりで抱え込んで作った100点が、実は上司の求めていた方向とまったく違っていた、なんてことは、日常茶飯事です。
でも、高学歴人材ほど、これができません。「30点で出す」ということに、生理的な抵抗感があるんです。
自分の名前をつけて出す以上、完璧じゃないと恥ずかしい。まだ調べきれていない、まだ詰めきれていない、まだ美しくない――そう思うと、出せない。だから、抱え込む。そして、上司が求めていたタイミングを、盛大に外す。
これが、「難関大を出ているのに使えない」と囁かれる、いちばん多いパターンです。


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