ここまで読むと、「じゃあ、やっぱり高学歴人材は使えないのか」と思うかもしれません。でも、僕はそう思っていません。ルールが変わったと理解した瞬間、高学歴人材は、驚くほど早く伸びていきます。
考えてみてください。受験で難関大に受かるような人は、「ゲームのルールを理解して、それに最適化する」能力が、そもそも高いんです。
だから、社会人としてのルールが「30点でいいから早く出す」だとわかった瞬間、そのルールに乗り換えることができる。
そして、30点のものを、50点、70点、100点に上げていく作業は、彼らの本領発揮なんだと思います。学習能力が高い。改善点を見つけたら、それを次に反映するのが速い。フィードバックを受けたら、素直に取り入れる。
だから、いったん「30点で出せる」ようになれば、そこからの伸びは本当に凄まじい。
最初の1〜2年が大きく変わるチャンス
問題は、「30点で出す」というスタート地点に立てるかどうかだけなんです。ここさえ越えられれば、彼らはむしろ強い戦力になります。
だから、僕は職場のマネジメント層の方に、いつもお伝えしています。「難関大を出ているのに使えない」と感じる若手がいたら、最初の1〜2年だけは、辛抱してあげてほしい、と。
その最初の壁さえ越えれば、そこから3〜5年で、彼らはたいてい追いついてきます。追いつくどころか、追い抜いていく。高学歴人材の「使えない期間」って、実は思っているより短いように感じます。
僕が見てきた限り、最初の1〜2年で「あいつは使えない」と烙印を押されて、その後もずっと使えないままの人と、5年後には「あいつはできるやつだ」と評価が逆転している人と、両方います。
そして、両者を分けているのは、周囲が「1〜2年待ってくれたかどうか」だったりします。
逆に、最初の1〜2年で「使える」と言われた人が、10年後にはずっと同じ場所にいて、抜かされているというのも、これまた本当によく見てきました。
学歴でも、最初のスタートダッシュでもなく、「新しいルールに乗り換える速さ」こそが、長期の勝負を決めるのだと思います。そして、その乗り換えの速さこそが、世間で「地頭がいい」と呼ばれる力の、本当の正体なのだろう、と。
「難関大を出てるのに使えないよね」――その評価は、たぶん、少し早すぎるだけなのではないでしょうか。


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