それは、自分の将来への不安にもつながっている。「自分は将来、幸せになれる」かについて「とてもそう思う」と回答したのは、高校生ではあまり変化がないのだが、17年も25年も23.6%と低いところでの横ばい状況である。高校生ともなると現実が見えてくることもあって、あまり期待を持たないようになってくるからだろう。
ただし小中学生も、「幸せになれる」と答えている割合は低いレベルである。もっと将来への期待に胸ふくらませていてもいい年頃だと思うのだが、低く、しかも下がってきている。小4~6年生で17年の37.7%から25年には31.3%になり、中学生では28.5%から23.1%にまで下がってきている。
なぜ、不安を抱え、自分の将来に希望が持てないのか。その疑問を岡部氏に投げかけると、こう答えた。
「子どもたちにとって身近な『大人』といえば、教員や親くらいしかいないのが現実です。もっといろんな大人がいるし、その中には自分が目標にできる大人もいるはずだと思います。そういう大人に出会えていないことが、子どもたちが不安を感じ、自分の将来に夢を持てない現状につながっているのではないでしょうか。目標とすべき大人に出会うことが、興味関心の動機づけになって、勉強しようという気持ちにもつながるはずですが、それができていないのが現実なのかもしれません」
自律的な学習を増やすには…
今、学校では、キャリア教育や職場体験など社会とつながる授業が行われてはいる。社会人に来てもらったり、または子どもたちが職場を訪問する授業である。「社会との接点」をつくる授業だ。
ただし、その回数は多くない。数少ない中で、目標となるような大人と出会ったり、興味のある仕事、職場を知る確率は少ないに違いない。
「まだまだ学校は閉じられた場所なのかもしれません」と岡部氏も言うように、学校は自分たちの殻の中にある。そうした状態では、子どもたちは将来に希望を持てないし、自分たちが幸せになることにも確信を持てないでいる。
これでは、いくら自律的な学習と旗を振ってみても、子どもたちの動きは鈍いままでしかない。学校は、さらに自律的な学習につながる授業の挑戦を加速させるとともに、門戸を広く開いて子どもたちが社会と接する機会を増やし、社会について、自分自身について考える機会を増やすことが、自律的な学習に取り組む子どもたちを育てるために必要なことだといえる。




※ログイン後、コメント入力が可能です。