しかし、です。僕は、いろいろな東大生に取材してきて確信していることがあります。「そこから東大に受かった人」は、いなくはない、ということです。
メディアに出てこない人まで含めて学内を探せば、「え、その環境からよく東大受かったな……!?」と絶句してしまうような人が、実はちゃんといるのです。
週に3日、フルタイムでバイトをしながら合格した人。人口300人の村から東大に受かった人。本当に塾に一度も通ったことがない人。そして、「ヤングケアラー」として家族の介護をしながら、現役で東大に合格した人。
「なんで? そんなの、どう考えても不可能じゃないの?」
そう思う方の気持ち、痛いほどわかります。だからこそ今日は、そのヒントになりそうな、一人の青年の話をさせてください。
清野孝弥さんという青年のこと
清野孝弥さんという人がいます。
彼は8月26日、『ヤングケアラーの僕が東大に合格するまで―― 家事、介護、そして勉強 それでも僕はこの家から東大に行く』という本を出版します。タイトルのとおり、ヤングケアラーで東大に合格した人です(プロローグの試し読みはこちら)。
先に白状しておきますと、実はこの本、僕が「きみは絶対に本を出すべきだ」と背中を押して生まれた一冊です。
彼と話しているうちに、これは絶対に世の中に届けるべき物語だと確信したのです。
清野さんがどれだけ「東大から遠い場所」から東大に来た人なのか、まずはその経歴を紹介させてください。


