アメリカの映画産業の俳優約3万2000人を対象にした調査では、一度確立された「型」への集中度が高いほど、その後のキャリアの広がりが制約されることが示された。
横浜に当てはめれば、19年のテレビドラマ出演を通じて確立された「さわやかな好青年」という型が、これに当たる。この型は認知度と人気獲得の土台になった一方、そこに固定され続ければ、武骨な役柄への評価が得にくくなるというジレンマも抱えていたはずだ。
25年のNHK大河ドラマ『べらぼう』で初主演を務め、俳優としての評価がすでに一段上がった今のタイミングだからこそ、型の外側にある演技の幅を、より広い層に示すことに意味が生まれる。
「役柄多様化」という俳優の定番パターン
この“型への固定”を避けるための手法として、俳優のキャスティング業界には、既存イメージと対照的な役柄を意図的に選び、体重や髪型といった外見の変化によって「多様な役をこなせる」というシグナルを送るという、体系化された実務知見が存在する(※4)。横浜の今回の変化は、この定番パターンと重なる。
もっとも、これが横浜本人あるいは所属事務所の意図的な戦略だったのかどうかは、公式な言及がなく確認のしようがない。ここで指摘したいのは、あくまで「結果としてこの変化がどう機能したか」という現象面である。

