興味深いのは、賛否を呼ぶ材料が2つも重なったにもかかわらず、世間の反応が全体としてはっきりポジティブに振れていることだ。Yahoo!のリアルタイム検索で「横浜流星 LOST10」を調べると、直近30日間の投稿約600件のうち、実に99%がポジティブな感情に分類されている(26年8月3日現在)。
これは偶然ではなく、いくつかの条件がそろった結果として「成功」と言い切れる状態だと分析できる。
横浜流星の変貌が「成功」と言えるワケ
第1に、映画『正体』でのアカデミー賞受賞や大ヒット映画『国宝』での日本映画批評家大賞助演男優賞受賞という実績が、すでに「演技派俳優」としての評価の土台を作っていたこと。ワイルドな変貌は、無関係な違和感としてではなく、実力に裏付けられた「役作り」として受け止められやすい状態がすでに整っていた。
第2に、「役作りのため」という理由が明示されたこと。人は他者の行動の背景にある「意図」が示されると、たとえ結果が同じでも評価が反転する(※2)。実際、体重を15〜16kg増やしたという情報とともにビジュアルが公開されたことで、単なる体型変化ではなく「役への取り組み」として受け止められた。
第3に、「BL発言」というもう1つの話題も、単体で見れば賛否を呼ぶ材料になりえたが、ワイルドな変貌という一貫した人物像の一部として世間に吸収される形になり、突出した炎上には発展しなかったと考えられること。
俳優が特定のイメージに固定されてしまう現象は、キャリアの初期には仕事の獲得に有利に働く一方、後にキャリアの選択肢を狭めてしまうことが、社会学の実証研究でも指摘されている(※3)。

