しかし、この仕組みにはこれまで落とし穴がありました。1カ月の自己負担額が8万円など、ギリギリ上限額に達しないと多数回該当を使えないのです。状況によっては、年間100万円近い医療費を負担しているのに、多数回該当にならずに軽減を受けられないケースもありえます。
そこで今回の見直しで新たに設けられたのが「年間上限」です。多数回該当が適用されるかどうかにかかわらず、月ごとの医療費の負担額が積み上がり、1年間(8月から翌年7月)の負担額が「年間上限」に達した場合には、それを超える医療費が戻ってくるものです。
年収約370万~770万円の場合、年間上限は53万円です。毎月8万円の医療費を自己負担すると仮定すると、7カ月目ごろに年間上限に達し、それ以上の医療費は後で払い戻されます。
長期療養や慢性疾患で継続的に治療を続けているなどで、高額な医療費を毎月負担しているような場合には、「年間上限」の導入によって負担が軽減されることがあるでしょう。
70歳以上の「外来特例」も一部引き上げ
70歳以上で所得が一定以下の人には、さらに通院の医療費が軽減される「外来特例」があります。こちらも、8月からの見直しにより一部の負担が増加しました。
70歳以上で年収156万~約370万円の場合、外来での医療費の自己負担限度額は個人ごとに7月まで月1万8000円(年間14万4000円)でしたが、8月から月2万2000円(年間21万6000円)に引き上げられました。

