滞在中、アリさんが開業したという日本料理店「青空」にも足を運んだ。 店の前には、青い街並みには少し不釣り合いな「たこ焼き」ののぼりがはためいている。材料が入手しやすく、料理人の高度な腕も必要ないからか、たこ焼きは世界各地で見かけるポピュラーな日本食だ。
夕方の早い時間だったためか客は筆者一人。いくつかある定食から焼き鳥定食を注文した。厨房では2人の女性スタッフがレシピを見ながら相談しつつ作っている。学校の家庭科の授業のようだ。
30分ほど待って、ようやく料理が運ばれてきた。日本を発ってから1カ月。一口食べて、タレの味になつかしさが込み上げてくる。温かい白ご飯を口にするのも久しぶりだった。甘酸っぱい漬物、そして香ばしいタレ――モロッコの伝統料理タジンに少し飽きていたこともあり、あっという間に完食した。
ちらちらこちらの様子をうかがうキッチンの女性たちに「おいしいよ!」と英語で伝え、一緒に写真を撮った。
中国人だらけでも圧倒的親日感
モロッコのマラケシュやフェズでの旅はとにかく疲れた。女性一人で歩いていると付きまとわれ、何かと理由をつけてお金を要求される。地元の人にとっても気が休まらない街だと後から聞いた。
それに対してシャウエンは圧倒的に落ち着いていた。写真を撮ってもらったらチップを求められるが、その程度だ。

