――その歯止めがかからなくなることが心配です。とりわけ、中国との関係はここ1年ほど、ますます厳しくなっています。
台湾有事に関する高市早苗首相の発言を、意図的にあげつらっているようにも思えます。もし中国が台湾に武力行使しようとするなら、それは日米同盟が機能しなくなったときです。中国も軽々に動こうとはしないでしょうし、そのまま軍事力を行使するよりも、サイバー攻撃や世論戦を仕掛けるでしょう。
アメリカの台湾関係法は国内法であって、条約ではありません。仮に台湾有事が発生しても、アメリカに介入義務はなく、オプションになる。
仮にアメリカが出てきても、日本に救援要請される事態とはどのような場合でしょうか。尖閣諸島や沖縄に攻撃が仕掛けられるということであれば、「存立危機事態」どころか、わが国の有事です。というように、仮定の話としても、あまりにも不確定要素が多すぎます。
政治の世界にも押し寄せる「ショート動画時代」
――そうした「失言」が理由なのか、高市首相は国会での出席率が非常に低い。衆参の予算委員会の集中審議では、2025年の石破政権の90時間に対して、30時間ほどです。
この状況をもたらしたのは、今年2月の衆議院選挙で自民党が316議席も獲得したからです。自民党の得票数は全体の半分に満たないのですが、議席数は全体の3分の2以上も獲得しました。しかし、それは自民党が特別に優遇されたわけではなく、09年に民主党政権が誕生したときもそうでした。
衆院選で高市総裁は「高市でいいのかどうかを皆さんに決めてもらう」「挑戦しない国に未来はない」などと、具体的な政策内容というよりスローガンを訴え、それがウケた。今は政治も「ショート動画時代」で、5分の話ですら聞いてもらえないのが現状です。
ただ、国民の生活を支えるさまざまな法律を作る国会では、それは通用しません。私が初当選した40年前には、「野党に賛成してもらえなくても、納得してもらえるように説明しろ」と先輩から教わりました。


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