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日本の失業率は騒がれにくい一方、政治の最重要指標であり続けてきました。女性やシニアの参入で支えられてきた労働市場ですが、低賃金依存のモデルは限界を迎えつつあります。本稿では『経済指標のキホン 数値から将来を読み解く』より一部抜粋のうえ、団塊世代の完全引退を前に、企業が迫られる改革の行方を占います。
日本でも失業率は政治的に非常に重要
日本の失業率は、総務省が当該月の翌月下旬に公表する「労働力調査」に含まれています。米国とは異なり、失業率の数字で市場が一喜一憂することは基本的にありません。この背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)が「二重の使命(物価安定と最大雇用)」を義務付けられているのに対して、日銀の政策が「物価の安定」を目標としていることにあります。
しかし、失業率は政治的に非常に重要です。『安倍晋三回顧録』(2023年、中央公論新社)で、故・安倍元首相は以下のように語っています。
「2%の物価上昇率の目標は、インフレ・ターゲットと呼ばれましたが、最大の目的は雇用の改善です。マクロ経済学にフィリップス曲線というものがあります。英国の経済学者の提唱ですが、物価上昇率が高まると失業率が低下し、失業率が高まると、物価が下がっていく。完全雇用というのは、国によって違いはありますが、大体、完全失業率で2.5%以下です。完全雇用を達成していれば、物価上昇率が1%でも問題はなかったのです。」
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