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女性の労働力率は北欧並みも「低賃金依存」の限界 団塊世代の完全引退で、企業が迫られる"最後の選択"

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「人材確保」と書かれたニュースの見出し
女性とシニア層の労働参加が限界を迎えたとき、日本が次に取るべき方策とは?(写真:Ystudio/PIXTA)
  • 安田 佐和子 ストリート・インサイツ代表取締役、経済アナリスト
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植田日銀総裁は2025年8月23日に米国のジャクソンホール・シンポジウムで行った講演で、以下のように説明しています。

「各種の調査によれば、こうした労働力率の高まりは、政策面の対応と社会的な変化の双方に起因しています。例えば、短時間労働者に対する社会保険の適用拡大や育児・学童保育の拡充のほか、女性の雇用を支援する社会慣行の広がりが挙げられます。シニア層に関していえば、これまでの法整備によって、企業は、65歳までの雇用機会確保を義務付けられているほか、70歳までの就業機会確保に関する努力義務も課せられています。」

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で2024年の賃金カーブ(一般労働者・所定内給与額)を見ると、男性の賃金は年齢とともに右肩上がりに上昇し、55~59歳では20~24歳の2倍近くに達しますが、60歳以上ではピークの約7割の水準まで低下します。

一方、女性は非正規雇用が多いため賃金カーブは年齢を重ねてもほとんど変わらず、55~59歳では男性の賃金が女性の約1.5倍です。女性とシニア層の活用は、企業にとっても人件費を抑えることができるため好都合でした。

今後は女性の正社員化と外国人の人材活用が不可欠に

しかし、2025年に「団塊の世代」(1947~49年生まれ)はすべて後期高齢者(75歳以上)となりました。女性の労働力率もすでに北欧諸国と遜色のない水準に達しています。足元で人手不足感が強まり、賃金が上昇している背景として、シニア層と女性人材のさらなる活用が限界を迎えつつあると考えられます。

植田総裁は前述のジャクソンホール講演で、今後は女性の正社員化と外国人の人材活用が鍵を握ると発言しています。

「第1に、現状、女性の正社員比率が50%程度と男性の80%程度と比べて低いことを踏まえると、この比率を引き上げ、労働時間を増やすことが考えられます。これを実現するためには、例えば、学童保育を一段と拡充するなどの施策が必要になるでしょう。
第2に、外国人労働者に関してです。労働力人口に占める外国人労働者の比率は3%程度にとどまっていますが、2023年から2024年にかけての労働力人口の増加率に対する外国人労働者の寄与度は、50%を超えています。外国人労働者をさらに増やしていくかについては、より幅広い議論が必要になるでしょう。」

厚生労働省の統計(「外国人雇用状況」の届出状況まとめ)によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1037人と過去最高を更新し、前年から26万8450人増加しました。国籍別では、ベトナムが最も多く60万5906人、中国43万1949人、フィリピン26万0869人の順となっています。

対前年増加率が大きい主な3カ国は、ミャンマーが42.5%(4万8693人)増、インドネシアが34.6%(5万8579人)増、スリランカが28.9%(1万1291人)増です。社会がどのように外国人を受け入れていくかは、日本経済にとっても重要な課題となっています。

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