こうした発言から、アベノミクスは失業率を最重要目標としていたことが分かります。市場の注目度がそれほど高くないとしても、日本の労働市場の動向を見ておく必要があります。
日本と米国の失業率の定義の違い
日本と米国の失業率はともに国際労働機関(ILO)の基準に準拠しており、基本的な概念は同じですが、調査方法や定義でいくつか違いがあります。
具体的な相違点は、主に以下の通りです。
(3)、(4)は米国の失業率を日本よりも高めにする要因といえます。

労働力調査では、失業者に加えて就業者(雇用者と自営業主・家族従事者)の詳細な内訳も公表されます。
就業者数の動向を男女別・年齢別に見ると、非常に顕著な特徴があります。2010年以降、終身雇用制度の中核である生産年齢人口(15~64歳)の男性の就業者数は少子高齢化によって約130万人も減少しました。しかし、同期間に生産年齢人口の女性の就業者数は約300万人、65歳以上の高齢者の就業者数は約360万人もそれぞれ増加したのです。
これは、女性とシニア層の労働参加が拡大したことによるものです。15~64歳の女性の労働力率(人口に占める労働力人口の割合)は2000年代初めの60%程度から2025年11月時点で78%に達しています。

