もちろん、昭和型の考え方が間違っていたということではありません。高度成長期からデフレ期までの日本では、それなりに合理性があった面もありました。
しかし時代の前提が変われば、合理的な行動も変わります。この大転換の時代、私たちは未来に向かって変化しなければなりません。
では「日経平均10万円」時代に向かっている今どうすべきなのかといえば、私は「複数のキャッシュフローを持つこと」が必要になると思います。副業をしたり、投資をしたり、自分で小さな事業を起こしたりするのです。もちろん、これらをかけもちしても構いません。
投資については、インフレ時代には「時間の経過とともに現金の価値が下がっていく」ということをまず頭に入れておきましょう。生活資金として現金を持つことは必要ですが、資産のすべてを現金で持つことは合理的ではありません。資産を守るためにも、株式や不動産、投資信託などインフレ下で価値が上がっていく資産を保有することをお勧めします。
現金は「戦略的な資産」として資産の3割を保有する
では、現金はどのくらい持っておけばよいのでしょうか? 私は、現金についての考え方を転換し、「戦略的な資産」と位置づけて持つ必要があるのではないかと思っています。
私が個人投資家の方にお話しするときは、「最低でも総資産の3割は現金を持っておきましょう」と言っています。資産の3割の現金があれば、万が一のときに必要なお金はまかなえるでしょうし、株価が急落したときに心の支えにもなります。もちろん、株価が下がったときこそ買い時だと考えて株を買い増すこともできます。
また、株価が上がったときは総資産に占める株の割合が高まりますから、そこで株を売って「現金を3割」を守るようにすると、「株価が下がったときに買い、上がったときに売る」という賢明な投資を実践することにもつながります。
この「3割」というのは、あくまでも1つの目安です。保守的な人であれば「現金7割、株や投資信託が3割」でも構いませんし、「現金5割、株や投資信託が5割」でもいいでしょう。ただし、これからインフレ時代が続くだろうと考えれば、「現金3割、株や投資信託が7割」くらいのほうが資産を守るという意味でよいのではないかと思います。
現金の割合を高くするということは、保守的なようであって、実はインフレ時代には資産を毀損するリスクを背負っていることになるのだということを忘れないようにしてください。繰り返しになりますが、インフレ時代に株や投資信託を持つことは、「攻め」というより「守り」なのです。


