「チームを崩してアジアカップを戦うよりも、継続で行くことがより勝つ可能性が高くなるということで判断されたと思う。その考え方を忘れなければ自然と次につながると私自身も整理をつけて、アジアカップまでということで引き受けさせていただきました」
7月24日に日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長、山本昌邦技術委員長とともに会見した、サッカー日本代表の森保一監督。異例といえる“半年限定の続投”を引き受けた思いを、このように明かした。
この会見の前日、23日の理事会でJFAは2022年カタール大会、26年北中米大会と2度のワールドカップ(W杯)で日本代表の指揮を執った森保監督の半年間の続投、そして27年3月以降の大岩剛U-21日本代表監督の昇格を正式決定した。
なぜ森保監督の続投と大岩監督の昇格に至ったのか。「積み上げに期待」「継続しても進歩なし」とインターネット上ではサッカーファンたちの間で議論を呼んでいるが、山本技術委員長は「継続と成長の重要性」を強調する。JFAは22年に「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan‘s Way」を策定したが、まさにその延長線上にある人事ということだろう。
だが、今回の北中米大会を現地で取材した筆者の感覚では、“異例の監督人事”の背景には「Japan‘s Way」以外の事情が潜んでいるように感じられた。
トルシエ時代に体感した山本氏のこだわり
1998年フランス大会でW杯に初出場してから、日本代表は9人の指揮官が率いてきた。その中で「継続性」を生かして成果を出したのが、森保監督と02年日韓大会のフィリップ・トルシエ監督だった。
「トルシエ監督のときはU-20代表、シドニー五輪代表、A代表と3世代を見て、99年FIFA(国際サッカー連盟)ワールドユース選手権(現U-20W杯)で2位になった小野伸二、中田浩二らの世代をわずか3年間でA代表に引き上げ、W杯で初勝利できるところまで引き上げた」。トルシエ政権下でコーチを務めていた山本技術委員長は「継続性」の成果を語った。

