1つは、食事環境の変化だ。共働き世帯の増加などで食卓を囲む機会が減り、「個食」が増えている。個食では、親が「口を閉じて食べよう」と声をかける機会も少なくなりがちだ。
さらに、食事内容の変化も見逃せない。齊藤氏によると、現代の子どもは、噛む回数が格段に少なくなっているという。
「柔らかく食べやすいものばかりでは、栄養は摂取できても噛む機能は育ちません。前歯でかじり取り、奥歯でしっかり噛んで飲み込む経験ができるよう、よく噛まないと食べられないものもメニューに加える必要があります。よく噛む習慣をつけるには、足裏を床や椅子の足置きにしっかりつけ、姿勢を安定させることも重要です」
また、タブレット端末やスマホを見る時間が長くなったことの影響も大きい。小さな画面をのぞき込むときは猫背に近い状態になりやすいが、この姿勢は口を開きやすくする要因になり得るという。
日常生活で見られる「お口ぽかん」のサイン
「お口ぽかん」は、むし歯や噛み合わせなどを主に確認する学校歯科健診だけでは見つけにくいことがある。日常生活の中で、まず見ておきたいのは食事中の様子だ。
「口呼吸になっている子どもは、食事の際も口を閉じて噛めないので、くちゃくちゃ音を立てて食べる様子がよく見られます。また、長く咀嚼すると苦しいので、あまり噛まずに丸呑みしたり、早食いになったりすることもあります」
就寝中に口を開けている、いびきをかくなども重要なサインだ。猫背になっている場合も、呼吸をしやすくするためにその姿勢をとっている可能性がある。また、日中も口臭が気になる場合は、口が開いている時間が長いサインかもしれない。
「お口ぽかん」の改善には、口の周りの筋肉や舌の使い方を整えるトレーニングが行われる。代表的なのが、MFT(口腔筋機能療法)だ。

