このほか、歯並びの悪さや舌の位置の異常なども、口が閉じにくくなる原因となる。つまり、鼻や喉の状態、口腔機能の発達、呼吸の習慣などが絡み合って生じる機能不全なのである。口呼吸の子どもが必ず「お口ぽかん」になるわけではないが、「お口ぽかん」の子どもは鼻や喉の状態、舌の位置などの影響で口呼吸を伴いやすく、悪循環に陥ることがあるという。
齊藤氏らの研究グループが2014年に行った調査では、3~12歳の子どもの30.7%に、「お口ぽかん」の症状が見られた。その後、コロナ禍を経て小児歯科医療の現場で口腔機能への影響を懸念する声が多く聞かれるようになり、23年に齊藤氏らが再調査を実施したところ、「お口ぽかん」に該当する子どもの割合は37.4%にまで増えていた。
「コロナ禍での外遊びの減少、それに伴う体力や体幹機能の低下、生活習慣の乱れ、睡眠の質の悪化といった全身の機能低下の一部として、口腔機能の働きも落ちてきているという見方ができます」と、齊藤氏は分析する。

影響が出やすい「歯並び」や「顔つき」
保護者の中には「成長すれば治るのでは」と考える人も少なくないが、齊藤氏は「自然に改善することは期待しにくい」と話す。というのも、齊藤氏らの14年調査では、年齢が上がるほど有病率が上昇する傾向が見られたからだ。


