欲しかったモノを手に入れる喜びは、手に入れた瞬間から目減りしていくことが多い。しかし経験は違う。旅先などでの記憶は、仮に実際にはつらかった旅行でも、時間が経つにつれ「良い思い出」として書き換えられることも多い。こうした思い出は繰り返し記憶によみがえり、語り直され、人生の重要な一部として「記憶の配当」を生み続ける。
著者は、この配当を得るためにも、できるだけ早いうちに思い出を積み上げるべきだと主張する。旅が好きで、行きたいところがあるならば、できるだけ早いうちに、行っておくべきだということだ。逆に「いつか行こう」と先延ばしにしたままとなった旅先のリストは、後悔という形で静かに積み上がるのだ。
また、こうも述べている。90歳になってキリマンジャロに登る人はほとんどいない。だが、若いうちに登っておけばよかった、と悔やむ90歳は大勢いる。健康とは、いやが応でも衰えるものなのだ。そして、健康が衰えてから後悔しても遅いのだ。
「健康・時間・お金」という3つの資源
私たちは「健康・時間・お金」という3つの資産を持っている。しかし、常にそれらを最大限に使えるわけではない。
もちろん個人差はあるものの、概して30代までは、健康の問題はなくても、上の表に示すように、お金に余裕がある人は多くないだろう。40代になると収入は増えるが、仕事や家庭に追われて時間がないという人も多いはずだ。そして70歳以上になると、時間とお金はあっても、健康に問題が出てくる可能性が高い。

