彼らはもともと、参考情報を集め、それを分析し、精度高く膨らませることに人生を捧げてきた人たちです。それは、生成AIというツールが要求してくる使い方と、驚くほど一致している。だから、初手からしっくりくる。指示の粒度も、参考情報の渡し方も、期待値のコントロールの仕方も、全部自然にできてしまう。
「東大生的な能力」の価値は下がっていく可能性が高い
これは、東大生を褒めているようで、実は少し切ない話でもあります。というのも、AI時代に「東大生的な能力」だけを持っていることの相対価値は、これから下がっていく可能性が高いからです。1を100にする作業は、これから生成AIがどんどん代替していく領域だからです。
だから、これから東大に入ろうとしている高校生や、いま東大にいる学生に、あえて一つだけ伝えたいことがあります。あなたたちが得意な「1を100にする力」は、これからも武器であり続けます。ただ、その武器はもう、あなただけの独占物ではなくなっていく。今後、突き抜けたいなら、そこにゼロイチを一滴でもいいから足していく努力を、意識的にしたほうがいい。
そしてもしあなたが企業の採用担当で、「AIを使いこなせる人材が欲しい」と思っているなら——東大生を採るのは、たしかに合理的な選択です。ただし、彼らばかりで固めるとチームがきれいに整いすぎて、たぶん誰も新しい方向には走らなくなる。ゼロイチを持ってくる少数派を、意図的にチームに混ぜたほうがいい。
これは、生成AI時代の組織設計における、意外と本質的なポイントなんじゃないかな、と思っています。


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