低山で道に迷いやすい、構造的な理由
低山にはどんなリスクがあって、どんな事故が起きているのか。
まず筆頭に挙げられるのは道迷いだろう。
北アルプスや富士山、八ヶ岳など、人気の高いポピュラーな山・コースは、登山道も道標もよく整備されており、また大勢の登山者が訪れるので、道に迷うリスクはそれほど高くない。
極端な話、ほかの登山者のあとをついていけば、おのずと山頂に立ててしまうということも起こりうる。
しかし低山の場合、一部の人気エリアを除くと、登山道や道標の整備状況が充分とはいえない山やコースも多い。
たとえば歩いていて「道標が少ないな」と感じるのはよくある話。登山道が二手に分かれるところに道標がなかったり、道標が朽ちて判読できなくなっていたりすることもある。
なにより困惑するのは、低山には登山道だけではなく、林業関係者や鉄塔管理者らの作業道、山麓に住む人たちの仕事道、シカやイノシシなどの獣道が入り組んでいることだ。
彼らが自分たちの作業の目印として付ける赤テープや杭などを、登山道の目印だと誤認して登山者が迷い込んでしまうのも、よくある話だ。
また、低い山には小さな尾根や沢が無数にあり、かつ複雑に入り組んでいるので、沢を横切るところで沢に入り込んでいったり、正しいルートは尾根を外れているのに、それに気づかず尾根を直進してしまったりして道に迷うという事故も多発している。


