「東大生って、勉強はできるんだろうけどさ、社会に出たら使えないよね」――僕は、東大生としてメディアに出るようになってから、この言葉をたぶん100回以上は言われてきました。ネットのコメント欄でも、本当によく見かける表現です。
「使えないよね」の一言に、僕はずっと反論できなかった
正直に告白すると、僕はこの言葉に対して、長い間うまく反論できませんでした。なぜかというと、「確かに、そうかも」と思う場面が、東大の中にたくさんあったからなんです。
僕の同級生には、高校時代から一日中机に向かって勉強してきた、いわゆる「絵に描いたような優等生」タイプがたくさんいます。彼らは、頭は本当に切れます。数学の難問を一瞬で解いてしまうし、記憶力もえげつない。
でも、例えばこんな場面があるんです。LINEで簡単な用件を送っても、返信が1週間くらい返ってこない。
「無視されているのかな」と思って直接会って聞くと、まったくそうではなくて、彼は真剣に「どう返せばこの人のためになるだろう」「軽く返して失礼にならないだろうか」と考え込んで、そのままフリーズしてしまっていた――というようなことが起きる。
これ、社会に出たら明らかにマイナスに働きますよね。上司からのメッセージに、思慮深く1週間かけて完璧な返信を書く新人が、評価されるわけがない。


